ダニー・ケイの戦場のドン・キホーテ

<Me and the Colonel>   (58年)

<スタッフ>
製作
監督
原作

脚色

撮影
音楽
編集
美術


<キャスト>
S・L・ヤクボウスキー
プロコズニー大佐
スザンヌ
ブフェイエ夫人

ウイリアム・ゲーツ
ピーター・グレンビル
フランツ・ウェルヘルの
   ヒット劇「ヤクボウスキーと大佐」
S・N・バーマン
ジョージ・フローシェル
バーネット・ガフイ
ジョージ・ダニング
ウイリアム・A・ライオン
ジョージ・ウェークビッチ
ウォルター・ホルッシャー


ダニイ・ケイ
クルト・ユルゲンス
ニコール・モーレイ
フランソワーズ・ロゼエ
 フランス戦線、ドイツ軍に追われる難民でごった返す中に逃亡道中を同じうする2人の男に焦点を合わせて、 境遇も性格も全く異る、この2人の噛み合う面白さ。頭の回転が速く奇想天外な行動をする男と 傍からみれば滑稽に思えるほど常に尊大に振舞う軍人。しかも対立していながら、いわば好敵手といったような 互いに相通じ合う男の友情を描いたもので、全くダニイ・ケイとクルト・ユルゲンスそれぞれの持つ性格を 完璧に生かした絶妙の作品である。
 紐育のブロードウェイで大当りにヒットした世界的に有名なフランツ・ウェルヘルの喜劇 「ヤクポウスキーと大佐」を S・N・バーマンとジョージ・フローシェルが共同脚色、 紐育及びロンドンの劇壇で近来の最も新鋭な演出家として注目されているピーター・グレンビル (テネシー・ウイリアムスの「夏と煙」、グレアム・グリーンの「居間」、テレンス・ラチガンの 「離れたテーブル」(映画化邦題名「旅路」)の演出は絶讃を博した)の第一回監督になる野心作。 「グレン・ミラー物語」「ララミーから来た男」等で知られた第一級のプロデューサー、 ウイリアム・ゲーツの製作である。
 撮影はアカデミー賞受賞カメラマン、バーネット・ガフィ、音楽は「長い灰色の線」「ピクニック」 等のジョージ・ダニング。
 主演は「天国と地獄」「虹を掴む男」「ハズは偽者」のダニイ・ケイ、 「素直な悪女」「スパイ」等のクルト・ユルゲンス、「女性の敵」「戦塵」等のニコール・モーレイ、 其他「外人部隊」「女だけの都」以来のフランスの名女優フランソワーズ・ロゼエ、 「誰が為に鐘は鳴る」のエイキム・タミロフ、「追想」のマーティタ・ハント、 「ジャイアンツ」のアレキサンダー・スコービイ等である。

 <梗概>  1940年のパリ。ドイツ軍の機械化部隊がパリに向って進撃して来た。街に侵入するのも間近い。 戦火を避ける市民の群は南方に向って流れるように続い
ている。
 2人の男も逃げ出さなければならない。 ホテルに宿り合せた2人の男、一人は S・L・ヤクポウスキーというユダヤ系ポーランド人で 一寸したハニカミ屋であるが生きる為には機略縦横の手段を心得た男。 一人はプロコズニー大佐で 反ユダヤ系ポーランドの貴族で対独戦に敗れ、 英国に樹立されたポーランド亡命政府に参加すべく急行中であった。 常に尊大にかまえ保守的で、しかも女好きという男である。斯様に2人は事ごとに対立している。 従って逃亡その他すべての点で喰い違いが生じてくるわけである。
 事態は切迫した。ホテルの一室で女中を口説いていた大佐もロビーで気焔をあげていた ヤクポウスキーも逃げなければ捕えられてしまう。
 ヤクポウスキーが古めかしい自動車ロールス・ロイスを手に入れて来た。 大佐の従者シャプニエビッチも共に脱出だ。ところが突然、大佐が運転して反対のドイツ軍 進撃方面に向った。其処には大佐の恋人スザンヌが居るので救い出さねばならない。 その地方を占領したドイツ軍の先遣部隊の少佐が予てから美貌のスザンヌに目をつけて 折あらばと狙っていた。厳重な監視の中をロールス・ロイスは無神経に通り抜けてスザンヌ救出は 成功した。
 ガソリンが無くなった、そこへフランスの戦車隊が退却して来た。ヤクポウスキーは 持っているポーランドのウォッカとガソリンを引き換えた。酒に渇えている兵士の心理を見抜いた 彼の素晴らしい機智。4人は南方に向かって進む。
 或る村、流れ込んで来る避難民で溢れていた。 一軒しかないホテルは満員で入りこむ余地はない。たゞ一つ古城のあることに気がついたヤクポウスキーは早速、 城の番人にかけ合った。彼の本当らしい嘘とハッタリと手なづけがテキ面に効いた。 ・・・ 
    (110分)

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