ダニー・ケイの黒いキツネ

<The Court Jester>   (55年)

<スタッフ>
製作・脚本・監督

撮影
音楽
振付
作詞
  作曲

<キャスト>
ヒューバート・ホーキンス
  ジーン
  カスリーン姫
  レヴン・ハースト
  ロデリック王
  グリスウォルド卿
  魔法使いのグリセルダ

ノーマン・パナマ
メルヴィン・フランク
レイ・ジューン
ヴィクター・ショーン
ジェイムズ・スターバック
シルヴィア・ファイン
サミー・カーン


ダニー・ケイ
グリニス・ジョンズ
アンジェラ・ランズベリー
ベイジル・ラスボーン
セシル・パーカー
ロバート・ミドルトン
ミルドレッド・ナットウィック
 喜劇王ダニー・ケイの「あの手この手」「ホワイト・クリスマス」につぐパラマケントでの第三回作品。
 「あの手この手」とおなじく、ノーマン・パナマ、メルヴィン・フランクのチームが製作から シナリオ、演出まで一手にひきうけている。
 「あの手この手」はスピードとアクションを王とした 喜劇の名作であったが、こんどもおなじ行き方で、題名の「黒いキツネ」というのは英国中世紀の豪傑で、 ロビン・フッドを想像させる快人物、ダニー・ケイの役はその部下のサーカスの芸人だが、 あるときは「黒いキツネ」になり、あるときはツンポの老人になり、あるときは宮廷の道化師になって、 縦横無尽の活躍を見せる。ダニー・ケイの力を100パーセントに発揮した痛快な喜劇である。
 相手役のグリニス・ジョンズは「絶望の彼方へ」「憧れの小径」「赤いベレー」 「豪族の砦」などに出た英国の人気女優。小柄なからだに明るい色気があり、芸もしっかりしている。
 そのほかの助演者にも「サムソンとデリラ」「三銃士」のアンジェラ・ランズベリー、 「俺たちは天使じゃない」「豪傑カサノヴァ」のペイジル・ラスボーン、 「必死の逃亡者」のロバート・ミドルトン、「ハリーの災難」「静かなる男」の ミルドレッド・ナットウィック、英国名優のセシルー・パーカーと達者な連中をそろえている。
 <物語>  これは小さなアザ一つで歴史が書き変えられた物語である。
 時代は英国の中世紀、ロデリックという王様がいた。陰謀をめぐらして王位についた人物で、 王室の正しい血統をつぐ幼児がいるという噂に心をいためていた。 邪魔になるものは全部殺したはずだが、王統のしるしであるお尻に紫のハコベのアザのある幼児が 「黒ギツネ」を首領とする忠臣たちに護られて王位恢復の機会をねらっているというのだった。
 ロデリック王は宰相レヴン・ハーストに命じで「黒ギツネ」討伐を命じ、姫のカスリーンを 武勇を以て鳴るグリスウォルト候に嫁がせて防備を固めようとした。しかし、レヴン・ハーストは ひそかに王位をねらっていて表面は忠誠を誓いながら暗殺の名人を招いて陰謀を企てようとしていた。 カスリーン姫は父王の政策の犠牲になることを心よく思っていなかった。
 「黒ギツネ」の部下にヒューバート・ホーキンスというサーカスの芸人がいた。 王の討手がせまるという情報が入って、 幼い王子を僧院に送りとどける役目を命ぜられた。ホーキンスは女ながらも 義勇軍の一方の隊長になっているジーンとともに、王子を酒ダルにかくし、馬車を駈って出発した。 老人に変装したホーキンスが酒をつくる商人に、ジーンがその孫娘になった。 ・・・(101分)
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