ダニー・ケイの新兵さん

<Up in Arms>  (43年)

<スタッフ>
製作
 監督
撮影
作詞・作曲



<キャスト>
ダニー・ウィーム
  ヴァージニア
  ジォー
  連隊長
 

サミュエル・ゴールドウィン
エリオット・ヌジェント
レイ・レナハン
シルヴィア・ファイン(ダニー・ケイ夫人)&マックス・リーブマン



ダニー・ケイ
ダイナ・ショア
ダナ・アンドルース
ルイス・カルハーン
 喜劇王ダニー・ケイは名製作者サミュエル・ゴールドウィンによって 映画畑に紹介された芸能人で、ゴールドウィンの許では「虹を摘む男」「ダニー・ケイの牛乳屋」 「天国と地獄」等の豪華な総天然色喜劇大作を作っているが、この「ダニー・ケイの新兵さん」も その一つで、彼のヒット作の一つに挙げられている。
 この映画では、ダニー・ケイは珍病恐怖症という世にも不思読な病気にとりつかれた 気の弱い青年が軍隊に入って演じる滑稽の数々を豪華なショウ場面を混えて展開して居り、 ダニー・ケイは適役を得てその真価を遺憾なく発揮している。
 ダニー・ケイを助けて、「ボタンとリボン」や「青いカナリヤ」等のヒット盤で 我が国でも最高の人気を持ち、またディズニーの「こぐま物語」で甘い唄声をきかせていたレコー歌手 ダイナ・ショア、「愚かなり我が心」等、二枚目ダナ・アンドルース、 美人女優コンスタンス・ダウリング、「ジュリアス・シーザー」等の名優ルイス・カルハーン等の豪葦な共演陣が顔を揃え、 更に脇役にもゴールドウィソ好みの贅を凝らしている。
 奇想天外な物語はオーウェン・デイヴィスの短篇「神経衰弱」にヒントを得て 才人ドン・ハートマソ、アレン・ボレツ、ロバート・ピローシュの3人が書き上げた オリジナルで、監督は古くから娯楽映画の巨匠として知られるエリオット・ヌジェット、 撮影にはテクニカラー撮影の大御所で「血と砂」や「白昼の決闘」の名キャメラで知られる レイ・レナハン。ダニー・ケイが唄う三つの唄はダニー・ケイ夫人のシルヴィイア・ファインが マックス・リーブマンと協同で作詞作曲している。
 <物語>  太平洋戦争も酎わの1943年の或る日、紐育市の徴兵委員会は珍病恐怖症患者 ダニー・ウィームの召集を決定した。ダニーは病院のエレベーター係を勤める青年で 人一倍健康な体を持ちながら、頭の先から足の先までありとあらゆる珍病に 掛っていると信じ込む奇妙な病気を持っており、そのヤマイコウモウぶりは ウロコ性カタルという魚専門の病気まで背負込んでいると信じている事でも判るだろう。
 ダニーは親友のジョーとアパートに同居しており、彼等はまた病院の看護婦の メリーとヴァージニアの2人と仲が長く、4人揃って映画に行ったりしている中に 奇妙な四角関係が出来てしまった。つまりダニーは美人のメリーに首ったけになり、 メリーはハンサムなジョーを愛し、一方、美人ではないが唄は巧いヴァージニアは ダニ一にゾッコンだがダニーの方では全然気がつかぬというやゝこしさ。 メリーとジョーの仲は次第に親密になったが、ダニーが彼女を好きなのを知っている2人は 彼に自分達の仲を云い出せなかった。そうとは知らぬダニーはメリーが自分に 好意を持っていると信じているのだから天下泰平である。
 そこへ舞い込んで来たのが召集令状だ。ダニーは泣きそうになった。 国に尽す気持では人後に落ちぬが50いくつもの病気を持った自分が兵隊に行ったら 死んじまうと泣きべそである。見かねたジョーは自分が代ろうと徴兵委員会に行ってかけ合うが、 彼もその直前に召集が決定していたのでダメだった。彼にはそれまで父親の扶養義務があって 召集されなかったのだが、その父親も召集されたのでその必要が無くなったのだ。 ・・・(106分)
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