アパートの鍵貸します

<The Apartment>   (60年)

<スタッフ>
製作・監督
脚本

撮影
美術
音楽
編集

<キャスト>
C・C・バクスター(バド)
フラン・クブリック
J・D・シェルドレイク
ドピッシュ氏
カークピー氏

ビリー・ワイルダー
ビリー・ワイルダー
T・A・L・ダイアモンド
ジョーゼフ・ラシェル
アレキサンダー・トラウナー
アドルフ・ドイッチ
ダニエル・マンデル


ジャック・レモン
シャーリー・マクレイン
フレッド・マクマレイ
レイ・ウォルストン
デイヴイッド・リュイス
 「アパーートの鍵貸します」は、当代きってのシャレ者監督といわれるビリー・ワイルダーが、 そのオ智のあらん限りをしぼって贈る最新の傑作です。
 「昼下りの情事」では世界中の観客を甘いロマンの香りに包み、「お熱いのがお好き」では 全世界を爆笑の渦に港起んだワイルダー監督ですが、今度の「アパートの鍵貸します」では、 前の二作に優るとも劣らないロマンティシズムと爆笑の中に、現代都会生活への痛烈な皮肉を チクリときかして、絶妙な傑作喜劇に仕上げています。
 ワイルダー喜劇のズバ抜けた面白さの秘訣の一つは、物語の奇抜さにあるといわれます。 今回も、常識外れの奇想天外な物語でありながら、しかも、世界中のどこの会社にでも起りそうな 極めて現実的な題材をとりあげて笑いの中にも真剣なロマンスがあり、ホロリとさせられる 哀愁さえもきかせています。ワイルターは前の二作と同様名コンビのI・A・L・ダイアモンドと共同で、 自ら脚本を手がけています。
 主演は、「お熱いのがお好き」で喜劇俳優としての新境地を拓き、アカデミー賞候補に挙げられた ジャック・レモンと、「カンカン」で軽妙な芸を見せ、最近メキメキと円熟味を見せている シャーリー・マクレイン、加えて往年の名二枚目で、「ポクはむく犬」など最近も味わいの深い 好演技を見せているフレッド・マクマレイ。
 この3人のスターを肋けて、いかにもワイルダー好みの芸達者な俳優たちがズラリと顔を揃えています。
 アドルフ・ドイッチの甘いムードに充ちたテーマ・ミュージックも、いくつかのレコード会社から 発売されており、人気を呼ぶことでしょう。
 「アパートの鍵貸します」は、ニューヨークのアスター劇場はじめ、金米の封切で、 過去数年来例のないほどの大ヒットになっていると、業界誌は報じています。
 <梗概>  ここはニューヨークの、ある大保険会社。どこの国でも保険会社というものはお堅いもの。 社員は礼儀正しく、謹厳実直をもってムネと致しておる――というのは、実はうわべだけの事―― これも万国共通かも知れない。
 さて、その保険会社の平社員 C・C・バクスター君(通称バド)は、 胸に大志を抱いて入社して来た。それから数年、彼は相も変らぬ下積みだが、彼は野心をすててはいない。 いつかはフンワリした重役の椅子に坐って、社員どもをアゴで使ってやろう。そして抜目のないバドは、 出世の妙案を思いつくのだ。
 出世への近道――これまた万国共通。上役の歓心をかう事である。しかも他の奴が考えもつかない方法で ――彼は自分のアパートの鍵を4人の課長に貸した。愛人との密会に遠慮なくご利用の程を―― というわけだ。
 温泉マークよりは安上がりだし、第一、人目につかない。4人の課長たちがバドのアパートを セッセとご利用になり、バドの昇給にセッセと努力遊ばしたのもムリからぬ話。
 だが、ここにシェルドレイク氏というケイ眼にして有能なる人事部長がいる。 彼は目ざとくもこのカラクリを見破った。実にケシからん、と彼はカンカンになって怒った。 そんなうまい話に、何で俺もー丁のせんのだ!
 そこで彼もアパート族の仲間入りをして、バドに鍵の特権≠要求した。もちろん昇給を条件に。
 月給はウナギ昇り。アパートは大繁昌。まずは八方丸く収ってメデタシメデタシと見えたのだが、 そこは好事魔多しとかや。ここに一つのトラブルがもち上がったのである。
 会社のエレベーター嬢にフラン・クベリックというお姐ちゃんがいた。 ・・・     (120分)

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